石けん用語集

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石けんとは
石けんがなかった時代はアルカリ(灰汁汁、粘土)や天然の界面活性剤(植物の実など)を利用して洗濯などをしていたそうです。 お年寄りの話を聞くと自然の物を利用して洗濯や身体を洗っていた話は聞けるはずです。私が小さい頃にもツバキ粉といって 袋入りの粘土の粉が売られており、それで髪を洗っていた記憶があります。隣のおばあちゃんは仏葬花の葉っぱを揉んでその汁で髪を洗っていました。
石けんは動植物性の油脂にアルカリを反応させて作られます。油脂(酸)に苛性ソーダを混ぜると脂肪酸ナトリウム(固形石けん)、 苛性カリを混ぜると脂肪酸カリウム(液体石けん)が出来ます。

界面活性剤とは
界面活性剤とは油と水を混ぜ合わせるはたらきのある物質のことで身近なものではマヨネーズなどの食品に利用される乳化剤があります。 油になじみやすい部分(親油基)と水になじみやすい部分(親水基)の両方を持っている界面活性剤の特質を利用して汚れを落とす石けんも 界面活性剤です。

石けんの用語
石けん
家庭用品品質表示法では、脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムを「石鹸」と呼び、それ以外のものを「合成界面活性剤」と呼びます。
特徴
アルカリ性としてのみ界面活性剤(汚れを落とす)の働きが出来る
24時間で水と二酸化炭素になって簡単に分解するので環境にやさしい
合成界面活性剤
脂肪酸ナトリウムと脂肪酸カリウム以外の石油から作られた界面活性剤      
特徴
phに関係なく界面活性を示す
本来なら皮膚にとうてい浸透しない物質まで吸収されるようになってしまう。
ほとんど分解しないものや分解に時間がかかる

純石鹸
純石けんとは石けん成分が95%以上の物をいいます

無添加石けん
苛性ソーダや苛性カリ+油+水だけで作ってあるもの、すなわち脂肪酸ナトリウムと脂肪酸カリウム 95% 以上で、 香料や色素や品質安定剤を含んでいないもの

石けん素地
油脂と苛性ソーダを焚いて塩析したり、脂肪酸と苛性ソーダを混ぜて中和して、 不純物を取り除く作業を経て石けんの素(ニートソープ)ができます。この石けんの素に香料や色素や色々な添加物を混ぜて良く練って 型に入れて固めて固形石けんができます。

中和法と窯炊きけん化法
石けんの製造には大きく分けて中和法と窯炊きけん化法があります。 「中和法」とは油脂を脂肪酸とグリセリンに分離してから脂肪酸だけをアルカリで中和して石鹸をつくる方法です。この後 保湿剤やその他の添加物を再度加え調整して製品にします。 この方法は、均一な石けんがわずか4,5時間で大量に生産できます。 「釜焚き法」とは油脂を高温にして長時間熱してから塩析して余分なグリセリンや苛性ソーダなどを取り除いて作られます。

  
塩析
石けん素地を精製する手法で高湿で炊き上げられた石鹸素地に塩水を加えて高純度の 石けん素地と不純物とを分離する技術。製造時の副産物として出来るグリセリンや余分な苛性ソーダはこの塩析により取り除かれます。

加熱製法(ホットプロセス)・コールド製法(コールドプロセス)
一般的な石鹸の製造方法は加熱製法(ホットプロセス)によるものです。原料となる油脂を加熱することで早く化学反応が 進んで鹸化(けんか=石鹸化)するので短時間で製品に出来ます。コールド製法(コールドプロセス)は加熱せずに鹸化の時に発生する熱のみを 利用して石けんを作る方法。そのために石鹸の純度が低く熟成に時間がかかります。

グリセリン
油に苛性ソーダや苛性カリ、水を混ぜて石けんを作る過程でできる副産物。水分を吸い付ける性質が有りそのまま残っていると 比較的溶けやすい石鹸になってしまいますので塩析して取り除かれます。しかし保湿成分であるグリセリンを取り除いてしまうと 肌のつっぱり感が出てしまうため新たにグリセリンを足しています。石けんでグリセリンと書いてある物は、グリセリンを除いた後に 新たにグリセリンを足したということです。

その他固形石鹸の製造方法には機械練りと枠練りなどがありますが、勉強不足の為今回は割合します。

よい石けんの選び方

(1)石けん素地以外の成分をなるべく含まないものを選ぶ
添加物にはハーブエキスやビタミンEなどの問題のほとんどないものからパラベン(防腐剤)エデト酸塩(金属封鎖剤)や ジブチルヒドロキシトルエン(変質防止剤)のように、皮膚トラブルの原因になったり安全性に疑問の持たれているものまで、さまざまです。 試しに今あなたが持っている石けんや化粧品を薬品成分表リストで調べてみましょう

(2)純石鹸といえばよい石鹸と思うかもしれませんが関係ありません。天然の保湿成分であるグリセリンを取り除けば純石鹸度は高くなります。 JISマークのついている純石けん分93%以上の石けんでも合成界面活性剤が主成分で石けんとはいえないものもあります。

(3)香料は抗原になりやすいので、アレルギー体質の人はとくに気をつけましょう。

(4)合成界面活性剤でできた石けんは買わない

お酢で石けんと合成洗剤を見分ける方法
透明なコップやボトルに水を1/3くらい入れてそこにシャンプーや洗剤や石けんを溶かします。泡が出るまでかき混ぜたら、今度はその中にお酢をたらして混ぜて、泡の様子を見ます。
泡が消えて白く濁る → 石けん
泡が消えず、変化なし → 合成洗剤
泡が消えずに白く濁る → 複合石けん

こうして書いていくと、石鹸について意外と知らない事が多かったというのが私の実感です。 けっこうまわりの人たちの肌のトラブルを見聞きしてはいましたが、私自身、肌が強いせいもあって無関心だったということもあります。
石鹸は一番安いものを探し回り、日本製は途中から泡立ちが悪くなるということで外国製品の安い石鹸に代えたり、 フケがでるという家族の声でフケとりシャンプーを買ってきたりしました。石けんについて勉強するにつれてスーパーの化粧品売り場での 商品表示を注意して読むようになりました。

手作り石けんとは
手作り石けんで有名なものに廃油石けんがあります。 揚げ物などをした後に残った油は古くなると酸化してしまうので処理に困りますよね。その油で石けんができます。 私は廃油だけでなくオリーブオイルやマカダミアナッツオイル、アボカドオイルなどの良質の食用油で石けんをつくっています。
油脂を苛性ソーダと水を混ぜる時に発生する熱を利用して石けんを作るコールドプロセスという製法で作ります。 この製法は石けんを作る過程でできる天然の潤い成分であるグリセリンがそのまま残ります。そのため水分を吸い、溶けやすい石けんとも言えます。 またコールドプロセスで作られた石けんは乾燥、熟成までに一ヶ月以上かかります。
手作り石けんの楽しみの一つにハーブやエッセンシャルオイルなどを混ぜ込んでお気に入りの石けんができることです。 ただし香りなどは飛びやすいのでEO以外に自然の香りをつけるのは今のところ見あたりません。
はちみつやココナッツを入れるとかすかに甘い香りはするのですが(^^)